Binanceは数ある仮想通貨取引所の中でも最大手の人気取引所です。
そんなBinanceで取引を始めてみたいという方も多いと思います。
取引をするとなると気になるのが「手数料」ですよね。
そこでこの記事では、これからBinandeで取引しようと考えている方向けに、Binanceで発生する手数料についてまとめてご紹介していきます。
Binanceの手数料一覧
Binanceには大きく分けて以下の5種類の手数料が、中には無料のものや割引が得られるものもあります。
- 取引手数料
- 資金調達手数料
- 入金手数料
- 出金手数料
- 両替手数料
まずはそれぞれの概要を簡単にお話しします。
Binanceの取引手数料は、現物取引手数料・USD-M先物取引手数料・COIN-M先物取引手数料の3つに分けられます。
一般ユーザーが支払う金額はそれぞれ以下の通りです。
現物取引手数料 | メイカー:0.1% テイカー:0.1% |
USD-M先物取引手数料 | メイカー:0.0200% テイカー:0.0400% |
COIN-M先物取引手数料 | メイカー:0.0100% テイカー:0.0500% |
入金手数料は仮想通貨で行うならば無料です。
Binanceが取り扱う仮想通貨数は約1000種類とかなり多いため、それだけ入金の手段が多く、しかも無料で行えるということになります。
なお、法定通貨の入金には対応していませんが、クレジットカードを使用して日本円から指定された仮想通貨を購入することもできます。
出金に関してですが、日本円での出金にもBinanceは対応していません。出金手数料はBinanceから国内仮想通貨取引所へ送金する時の送金手数料がかかります。
また、Binanceには「コンバート」と呼ばれる両替機能があります。こちらは無料ですので、仮想通貨と別の仮想通貨を無料で交換できます。
【注意】クレジットカードでの仮想通貨を購入する際は手数料が発生する
先ほど、クレジットカードを使用すれば日本円で仮想通貨を購入できるとお伝えしましたが、その際は購入額の3.5%または10USDのうち高額な方の手数料がかかります。
取引量が多いと手数料もかなり高くなる可能性がありますので注意しましょう。
Binanceの取引手数料について
それでは、Binanceの取引手数料から具体的に見ていきましょう。
Binanceの取引手数料は以下の3種類にさらに分けられます。
※USD-M先物取引とCOIN-M先物取引はデリバティブ取引です。
現物取引手数料
現物取引手数料は、先ほど確認した通りビットコインもアルトコインも一律0.1%になります。
現物の取引量に応じたアカウントランク(VIPレベル1から9まで)ごとに定められた割引率で手数料の割引が受けられます。取引数量が多くなるほど、大きな割引が受けられるんですね。
各ランクごとの現物取引手数料をまとめると以下の通りです。
レベル | 30日の取引量(BUSD) | BNB残高 | Maker/Taker |
一般ユーザー | 1,000,000BUSD未満 | 0BNB以上 | 0.1000% / 0.1000% |
VIP1 | 1,000,000BUSD以上 | 25BNB以上 | 0.0900% / 0.1000% |
VIP2 | 5,000,000BUSD以上 | 100BNB以上 | 0.0800% / 0.1000% |
VIP3 | 20,000,000BUSD以上 | 250BNB以上 | 0.0700% / 0.1000% |
VIP4 | 100,000,000BUSD以上 | 500BNB以上 | 0.0200% / 0.0400% |
VIP5 | 150,000,000BUSD以上 | 1,000BNB以上 | 0.0200% / 0.0400% |
VIP6 | 400,000,000BUSD以上 | 1,750BNB以上 | 0.0200% / 0.0400% |
VIP7 | 800,000,000BUSD以上 | 3,000BNB以上 | 0.0200% / 0.0400% |
VIP8 | 2,000,000,000BUSD以上 | 4,500BNB以上 | 0.0200% / 0.0400% |
VIP9 | 4,000,000,000BUSD以上 | 5,500BNB以上 | 0.0200% / 0.0400% |
ご覧のとおり、レベルが上がるにつれて割引率が大きくなりますが、ランクアップするにはかなりの取引量を求められるので、レベルアップによる取引手数料の割引を狙うのは無理のない範囲で行うようにしましょう。
USD-M先物取引(永久先物取引)手数料
永久先物取引にかかる手数料は以下の通りでしたね。
- メイカー:0.0200%
- テイカー:0.0400%
なお、この取引はUSDTもしくはBUSDで決済できます。BUSD建ての場合、メイカーの取引手数料がマイナス表示になることがありますが、これはかかるはずの手数料が逆に受け取ることができるということです。
テイカーの手数料もBUSDが安いので、永久先物取引を行う場合はBUSDを使うことをおすすめします。
また、永久先物取引もアカウントランクごとに、手数料の割引を受けられます。
割引の条件は、指定された過去30日間のBUSD換算での取引量とBNBの保有残高をクリアすることです。
後でも詳しくお話ししますが、永久先物取引ではBNBで手数料を支払うと以下の「USDT」「BUSD」のmaker/taker手数料からさらに10%の割引を受けることができます。
レベル | 30日の取引量(BUSB) | BNB残高 | 【USDT】Maker / Taker | 【BUSD】Maker / Taker |
一般ユーザー | 15,000,000BUSD未満 | 0BNB以上 | 0.0200% / 0.0400% | 0.0120%/0.0300% |
VIP1 | 15,000,000BUSD未満 | 25BNB以上 | 0.0160%/0.0400% | 0.0120%/0.0300% |
VIP2 | 50,000,000BUSD以上 | 100BNB以上 | 0.0140%/0.0350% | -0.0100%/0.0230% |
VIP3 | 100,000,000BUSD以上 | 250BNB以上 | 0.0120%/0.0320% | -0.0100%/0.0230% |
VIP4 | 600,000,000BUSD以上 | 500BNB以上 | 0.0100%/0.0300% | -0.0100%/0.0230% |
VIP5 | 1,000,000,000BUSD以上 | 1,000BNB以上 | 0.0080%/0.0270% | -0.0100%/0.0230% |
VIP6 | 2,500,000,000BUSD以上 | 1,750BNB以上 | 0.0060%/0.0250% | -0.0100%/0.0230% |
VIP7 | 5,000,000,000BUSD以上 | 3,000BNB以上 | 0.0040%/0.0220% | -0.0100%/0.0230% |
VIP8 | 12,500,000,000BUSD以上 | 4,500BNB以上 | 0.0020%/0.0200% | -0.0100%/0.0230% |
VIP9 | 25,000,000,000BUSD以上 | 5,500BNB以上 | 0.0000%/0.0170% | -0.0100%/0.0230% |
流動性が低下すると取引そのものが成立しないことが増えてきますので、取引そのものを避けるトレーダーが増え、それによりさらに流動性が低下するという悪循環に陥ってしまいます。
それでは運営側であるBinanceも困りますので、インセンティブとして手数料を負担することで流動性を安定させているというわけです。
COIN-M先物取引(期限付き先物取引)手数料
残念ながら、期限付き先物取引ではBNBでの手数料支払いに応じた割引は受けられません。
ただし、仮想通貨で決済ができます。アカウントランクごとに過去30日間のBUSD換算での取引量とBNBの保有残高によって手数料の割引を受けられます。
各アカウントランクごとの期限付き先物取引の手数料は以下の通りです。
レベル | 30日の取引量(BUSD) | BNB残高 | Maker / Taker |
一般ユーザー | 15,000,000BUSD未満 | 0BNB以上 | 0.0100% / 0.0500% |
VIP1 | 15,000,000BUSD以上 | 25BNB以上 | 0.0080% / 0.0450% |
VIP2 | 50,000,000BUSD以上 | 100BNB以上 | 0.0050% / 0.0400% |
VIP3 | 100,000,000BUSD以上 | 250BNB以上 | 0.0030% / 0.0300% |
VIP4 | 600,000,000BUSD以上 | 500BNB以上 | 0.0000% / 0.0250% |
VIP5 | 1,000,000,000BUSD以上 | 1,000BNB以上 | -0.0050%/0.0240% |
VIP6 | 2,500,000,000BUSD以上 | 1,750BNB以上 | -0.0050%/0.0240% |
VIP7 | 5,000,000,000BUSD以上 | 3,000BNB以上 | -0.0050%/0.0240% |
VIP8 | 12,500,000,000BUSD以上 | 4,500BNB以上 | -0.0050%/0.0240% |
VIP9 | 25,000,000,000BUSD以上 | 5,500BNB以上 | -0.0050%/0.0240% |
Binanceの資金調達手数料(スワップ手数料)について
先ほども説明しましたが、資金調達手数料は、注文数の多いユーザーから手数料を徴収し、注文数の少ないユーザーに分配される仕組みです。
例えば、ロング(買い)の注文が多い時にはロング保有者から手数料を徴収し、ショート(売り)保有者へ手数料が分配されます。逆に、ショートの注文が多い場合はショート保有者から手数料を徴収し、ロング保有者へ手数料の分配がなされます。
つまり、注文が少ないほうのポジション保有者が手数料分を利益として受け取れるということですね。
Binanceでは以下のタイミングで毎日3回、資金調達手数料が発生します。
- 午前1時
- 午前9時
- 午後5時
資金調達手数料が発生するタイミングは8時間ごとです。
この時間付近になると手数料の支払いを回避するために保有しているポジションを決済するトレーダーも出てきますので、激しい価格変動が起こる場合もあり注意が必要です。
ちなみに、資金調達手数料は変動します。価格の差が開くほど高くなり、価格が狭くなると安くなります。
リアルタイムの資金調達手数料は、Binance公式サイトの情報ページから確認可能です。
Binanceの送金(出金)手数料について
Binanceの出金手数料は仮想通貨ごとに異なります。
入金手数料とは違い、最低出金枚数に制限があります。
BTC(ビットコイン)の送金手数料
ネットワーク | 送金手数料(BTC) | 最低出金額(BTC) |
BNB Smart Chain(BEP20) | 0.0000042 | 0.0000084 |
Bitcoin | 0.0002 | 0.001 |
BNB Beacon Chain(BEP2) | 0.000007 | 0.000014 |
BTC(SegWit) | 0.0005 | 0.001 |
Ethereum(ERC20) | 0.0002 | 0.0004 |
ETH(イーサリアム)の送金手数料
ネットワーク | 出金手数料(ETH) | 最低出金額(ETH) |
BNB Smart Chain(BEP20) | 0.000051 | 0.0001 |
Ethereum(ERC20) | 0.00096 | 0.0098 |
Arbitrum One | 0.0003 | 0.001 |
BNB Beacon Chain(BEP2) | 0.000085 | 0.00017 |
Optimism | 0.0003 | 0.001 |
USDT(テザー)の送金手数料
ネットワーク | 出金手数料(USDT) | 最低出金額(USDT) |
BNB Smart Chain(BEP20) | 0.29 | 10 |
AVAX C-Chain | 0.8 | 50 |
BNB Beacon Chain(BEP2) | 0.8 | 10 |
Ethereum(ERC20) | 4 | 50 |
Polygon | 0.8 | 10 |
Solana | 0.8 | 2 |
Tezos | 0.8 | 10 |
Tron(TRC20) | 0.8 | 10 |
その他の通貨に関しては、Binance公式サイトで確認してください。
ほとんどの仮想通貨の場合、最低出金額はそんなに大きくありません。ですから、少額だけ通貨を使いたいといった場合も簡単に出金できます。
Binanceの取引手数料を抑える方法
Binanceの手数料は他社と比較しても安いほうですが、取引後に発生するものもありますので、取引回数が増えてくると負担になってきます。
Binanceには手数料を安くする方法がありますので、ここではその方法をご紹介します。
BNBで支払う
各手数料の解説のところでもちょこちょこ述べましたが、手数料をBNBで支払うと割引を受けることができます。
Binanceでは、手数料をBNBで支払うことで最大半額の手数料割引を受けられます。
※割引率はBinanceの登録日から経過した年月で決まる。
以下、割引率についてまとめてみました。
経過年数 | 割引率 |
1年目 | 50% |
2年目 | 25% |
3年目 | 12.5% |
4年目 | 6.75% |
5年目 | 割引なし |
登録してから1年目が最大割引率である50%の割引が受けられます。
それ以降は割引率が半分ずつ下がっていき、5年目からは普通の一律0.1%に戻ります。
BNB通貨ペアを取引する
Binanceの基軸通貨は全部で以下の4つがあります。
- BTC(ビットコイン)
- BNB(バイナンスコイン)
- ETH(イーサリアム)
- USDT(テザー)
この4つのうちBNBを基軸とする通貨ペアは取引手数料が無料です。
手数料を抑えたい場合は、BNBを中心に取引を行うというのも一つの方法です。
紹介コードを利用する
Binanceには紹介プログラムというのがあり、登録する際に知人からの紹介コードを使うと取引手数料が安くなります。
Binanceへ登録した後に紹介コードを使うことはできませんので、まだ登録していないという人は、ネット上でも提供しているサイトはありますので、紹介コードを入手するといいかもしれません。
Binanceの手数料を他取引所と比較
Binanceの手数料ですが、「他の仮想通貨取引所と比較するとどうなのだろう?」と思っている人もいると思いますので、こちらについても代表的な取引所と実際に比較してみました。
取引手数料を比較
まずは、取引手数料を比較してみましょう。
仮想通貨取引所 | 取引手数料 |
Binance | 0.1% |
ビットフライヤー | 0.01~0.15% |
フォビ(huobi) | 0.2% |
ご覧の通り、Binanceの取引手数料は他の仮想通貨取引所と比較しても安いほうだといえますね。
また、取引手数料の支払いをBNBで行えばここからさらに割引が受けられるので、そうなると業界最安値レベルになります。
出金手数料を比較
Binanceの出金手数料は仮想通貨ごとに違いますし時期によっても異なりますので簡単に比較はできませんが、おおよその金額で比較してみました。
仮想通貨取引所 | 出金手数料(BTC) | 出金手数料(ETH) | 出金手数料(NEO) |
Binance | 0.0005 | 0.005 | 無料 |
ビットフライヤー | 0.0004 | 0.005 | 取り扱いなし |
フォビ(huobi) | 0.0005 | 0.005 | 無料 |
そのままだとそんなに変わりませんが、Binanceの出金手数料は仮想通貨「NEO」を利用することで抑えることができます。
Binanceの手数料がお得になる「BNB」とは
先ほどからBinanceの手数料はBNBを使うと安くなると解説していますが、「そもそもBNBって何?」と思っている人もいるでしょう。
ここでは、BNBについて少しだけ説明します。
繰り返しになりますが、BNBがBinanceが独自に発行しているトークンです。
BNBには、最大50%の取引手数料の割引以外にも主に以下のような特徴があります。
BNBの通貨ペアは取引手数料無料
手数料を抑える方法のところでも触れましたが、BinanceではBNBの通貨ペアで取引を行うと取引手数料が無料になります。
BNBの通貨ペアは取引量が多い主要コインはもちろん、以下のような日本の仮想通貨取引所では取引されていない通貨も対象となっています。
- EOS(イオス)
- XLM(ステラルーメン)
- ADA(エイダコイン/カルダノ)
需要の増加が見込まれる
Binanceは利益を活用してBNBの買い戻しを定期的に行っています。
その数は全発行数量の25%と言われており、今後はBNBの供給は減少すると想定されています。
それに伴い、BNBの需要が今後高まる可能性があります。
BNBは取引コストを安く抑える手段としてだけでなく、資産運用の手段としても優秀な通貨といえます。
Binanceの手数料に関してよくある質問
最後に、Binanceの手数料に関連してよく見かける質問にお答えします。
BNB(バイナンスコイン)とは何ですか?
BNBとは、2017年にBinanceが発行した独自トークンのことです。
BNBはBinanceで基軸通貨として使うことができ、Binanceで取り扱っているさまざまな仮想通貨と交換することができます。
BNBは今後Binanceでスタートする新たなサービスでも利用できる可能性が高いですので、Binanceで取引をするなら、保有していると便利でしょう。
TRC-20とは何ですか?
TRC-20とは、トロン(TRX)ネットワークおよびネットワークで利用されているトークンの規格のことです。
イーサリアム(ETH)のネットワークであるERC-20と完全な互換性があります。
トロン(TRX)のトークンにはTRC-10という規格もありますが、主にネットワークで利用されているのはTRC-20です。
USDT(テザー)とは何ですか?
USDT(テザー)とは、Tether Limited社が2015年2月に発行した世界初のステーブルコインで、米ドルの価格に連動するように設計されており、その時価総額は約11兆円に上っています。
価格の安定性が高いため、海外の仮想通貨取引所では米ドルなどの法定通貨に代わる決済用の通貨として用いられることが多いです。
USDTは国内取引所では取り扱いがありませんが、海外取引所では決済手段として用いられますので、海外取引所で取引したい場合は、保有しているといいでしょう。
まとめ
Binanceの手数料に関して解説しましたが、いかがだったでしょうか?
最後にもう一度、Binanceを利用するのにかかる手数料をおさらいしておきましょう。
- 取引手数料
- 資金調達手数料
- 入金手数料
- 出金手数料
- 両替手数料
Binanceの手数料は他社と比較しても安く設定されています。そこからさらに様々な割引や優待により安くすることができます。
特に、Binanceの独自トークンであるBNBは取引手数料を安くするには有効です。
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