Bybitは2018年にシンガポールで設立された仮想通貨取引所です。
Binanceと並び世界でもトップクラスの人気を誇ります。
そんなBybitは日本人トレーダーにも人気があるのですが、「手数料が高い」という評判があります。
そこでこの記事では、実際にBybitの手数料を確認し他社と比較してみたいと思います。
Bybitの手数料一覧
Bybitでは、以下の手数料が発生します。
取引手数料
まず、Bybitでの取引には「取引手数料」が発生します。
取引手数料は現物取引かデリバティブ取引かで異なってきます。それぞれの取引手数料をまとめてみました。
現物取引の手数料
- Maker(指値注文):0.1%
- Taker(成行注文):0.1%
ご覧の通り、注文方法にはMaker(指値注文)とTaker(成行注文)の2種類があります。
Bybitの現物取引の手数料率は、注文方法に関係なく一律0.1%と覚えておきましょう。
なお、現物取引で発生する手数料は以下の計算式で求めます。
取引手数料=約定数量×取引手数料率
例えば、Bybitの現物取引で10BTCをMakerで購入した場合の取引手数料は以下のとおりです。
取引手数料=10BTC×0.1%=0.01BTC
したがって、実際にウォレットに入金される額は、取引手数料分の0.01BTCを差し引いた9.99BTCになります。
デリバティブ取引の手数料
続いて、デリバティブ取引の手数料を見てみましょう。
デリバティブ取引の手数料は以下の表のとおりです。
取引方式 | Maker(メイカー)手数料 | Taker(テイカー)手数料 |
インバース/USDT無期限契約 | 0.01% | 0.06% |
USDC無期限契約 | 0.01% | 0.06% |
USDCオプション取引 | 0.03% | 0.03% |
USDCオプション取引の手数料はMaker・Takerともに0.03%です。
なお、Bybitのデリバティブ取引の手数料は以下の計算式で求めます。
取引手数料=注文価格(※)×取引手数料率 (※)注文価格=数量÷執行価格
例えば、インバース無期限契約で10,000BTC/USDを購入し、執行価格が6,000USDの場合のMaker・Takerそれぞれの取引手数料は以下のようになります。
取引手数料=10,000BTC/USD÷6,000USD×0.01%=0.016666666BTC
取引手数料= 10,000BTC/USD÷6,000USD×0.06%=0.099999999BTC
入金手数料
Bybitの入金手数料は無料です。
取引所によっては入金手数料が発生する場合もありますので、入金手数料がかからないのは嬉しいですね。
出金・送金手数料
Bybitでは出金・送金手数料もかかりません。
マイニング手数料
Bybitでは自分の取引を承認(マイニング)をしてくれた人への手数料は、マイニング手数料として支払う必要があります。
主な通貨のマイニング手数料は以下の通りです。
ビットコイン | 0.0005BTC |
イーサリアム | 0.01ETH |
イオス | 0.1EOS |
リップル | 0.25XRP |
テザー | 2USDT |
出金・送金手数料はかかるけどマイニング手数料は無料という取引所もありますので、二つの手数料の兼ね合いを考えて選択するとよいでしょう。
ファンディング手数料(資金調達料)
ファンディング手数料とは、「スワップポイント」のことです。
ファンディング手数料は、ポジションを持っている時にBybitが定めた時間に発生します。
要は、現物とBybitでの市場価格との差が開いたときです。
Bybitでファンディング手数料が発生する時間は以下の3回です。
- 1時
- 9時
- 17時
ご覧の通り、8時間おきに発生します。
自分の保有したいポジションをよく確認してからトレードを行いましょう。
両替手数料
Bybitでは入金している仮想通貨を他の仮想通貨へ両替することができます。
両替を行う際には両替手数料が必要です。
両替手数料は両替総額に対して0.1%の手数料が発生します。
Bybitと他の取引所の取引手数料を比較
Bybitの手数料は他社と比べて高いのでしょうか?
実際に比較してみましょう。
Bybitと他の海外取引所の取引手数料を比較
まずは、代表的な他の海外取引所と比較してみましょう。
取引所 | 現物取引手数料 | デリバティブ取引手数料 |
Bybit | 0.1% | Maker:0.01% Taker:0.06% |
Binance | 0.1% | Maker:0.01% Taker:0.05% |
KuCoin | 0.1% | Maker:0.02% Taker:0.06% |
MEXC | 0.2% | Maker:0.02% Taker:0.06% |
Bybitの取引手数料は海外取引所の中では決して高いほうではありませんね。
むしろ、デリバティブ取引に関しては安いほうです。
なお、各仮想通貨取引所の手数料に関して以下の記事でさらに詳しく比較解説しているので、気になる方は参考にしてみてください。
Bybitと国内取引所の取引手数料を比較
次に、Bybitと主な国内取引所の取引手数料を比較してみましょう。
取引所 | 現物取引手数料 | デリバティブ取引手数料 |
Bybit | 0.1% | Maker:0.01% Taker:0.06% |
bitFlyer | 販売所:無料 取引所:0.01~0.15% | 無料 |
Coincheck | 販売所:無料 取引所:Maker:0.05%/Taker:0.1%(ETC以外は無料) | デリバティブ取引なし |
GMOコイン | 販売所:無料 取引所:Maker:-0.01%/Taker:0.05% | 無料 |
取引手数料自体は国内取引所のほうが安いですね。
ただ、ほとんどの国内取引所では仮想通貨を取引する際の「スプレッド」が広く設定されています。
Bybitにもスプレッドはありますが、国内取引所に比べるとかなり狭く設定されています。
その点を加味すると、手数料コストの調整をしやすいのはBybitと言えるかもしれません。
Bybitの取引で手数料負けするタイミング
他社と比較しても決してBybitの手数料は高くないのですが、それでも手数料負けする可能性はあります。
ここでは、Bybitで手数料負けする可能性がある取引とそのタイミングについて解説します。
現物取引は手数料負けしやすいので注意
Bybitでは現物取引、デリバティブ取引どちらとも手数料が発生します。
特に手数料負けが発生しやすいのは、手数料率が高い現物取引です。
例えば、1万円分のBTCを注文すると10円分の手数料が発生します。さらに売却する際にも0.1%の手数料が発生します。つまり、20円以上の利益がでないと手数料負けしてしまいます。
出金手数料を含めても利益になるか考える
取引で利益が出たとしても、その資金を出金する際にマイニング手数料がかかります。
取引する際には、取引手数料やマイニング手数料を含めても利益が出る価格で取引しなければ手数料負けします。
ファンディング手数料にも注意
Bybitの無期限契約ではファンディング手数料(資金調達料)も発生するんでしたね。
この手数料は、現物と無期限の価格を連動させるための手数料ですが、8時間ごとにロング(買い)とショート(売り)の両ポジション間で交換されます。
ロングとショートの一方が支払い、もう一方が受け取る仕組みですので、受け取る側に回れば利益になりますが、逆に支払う側になると「ポジション×資金調達率」を計算した手数料を支払わなければなりません。
Bybitで手数料負けしない方法
ご覧の通り、Bybitでは手数料が発生しますので、せっかく取引で利益を出しても手数料のせいで手元に入り資金は少なくなるあるいはマイナスになることもあります。
このような手数料負けを起こさないための方法についてご紹介します。
まとめて出金する
Bybitでは出金時・送金時に金額に関係なく、一定のマイニング手数料が発生しますので、出金・送金はなるべくまとめて行うようにするとマイニング手数料を抑えることができます。
デリバティブ取引では指値注文を活用する
Bybitで手数料負けしないためには、デリバティブ取引をする際にはできるだけ指値注文をするといいでしょう。
繰り返しになりますが、Bybitでは現物取引の手数料は一律0.1%です。
これに対して、デリバティブ取引の手数料はMaker(指値注文)とTaker(成行注文)で異なります。
取引方式 | 指値注文(Maker)の手数料 | 成行注文(Taker)の手数料 |
インバース/USDT無期限契約 | 0.01% | 0.06% |
USDC無期限契約 | 0.01% | 0.06% |
USDCオプション取引 | 0.03% | 0.03% |
USDCオプション取引についてはMaker・Takerともに同じ手数料率ですが、無期限契約ではMaker(指値注文)のほうが安い手数料率となっています。
そのため、デリバティブ取引をする際には、指値注文(Maker)で取引したほうが手数料を抑えることができます。
ファンディング手数料(資金調達料)を活用する
ファンディング手数料が大きくなる前に決済することも手数料を抑えるコツです。
Bybitの無期限先物契約では、ポジションを持ち越すと資金調達料が発生します。
ファンディング手数料は資金調達率で決まります。もしマイナス表記だとロングポジションを保有している場合はファンディング手数料を受け取れることができます。
逆にショートポジションを保有していた場合は、プラス表記だと手数料を受け取ることができます。
ですから、ファンディング手数料が発生する時間までにマイナス表記の場合は、ポジションを決済せずに保有し続けることでファンディング手数料を受け取ることができます。
手数料の割引キャンペーンを活用する
最後にご紹介する方法は、手数料の割引キャンペーンを活用するです。
Bybitでは定期的に手数料の割引キャンペーンが開催されています。これらを上手く活用することで支払う手数料を減らすことができるでしょう。
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Bybitへの送金手数料を抑えらえるおすすめの国内仮想通貨取引所
Bybitへの入金は法定通貨では行えませんので、P2P取引などで指定の仮想通貨を購入するか、先に国内の仮想通貨取引所で仮想通貨を購入し、その仮想通貨を送金する必要があります。
国内仮想通貨取引所から送金する場合は、取引所によって取引・送金手数料がことなります。
GMOコイン
取扱通貨 | 24種類 |
販売所手数料 | 無料 |
取引所手数料 | 【 BTC、ETH、XRP、DAI 】 Maker:-0.01%/Taker:0.05% 【その他】 Maker:-0.03%/Taker:0.09% |
入金手数料 | 無料 |
出金手数料 | 無料(一部条件あり) |
仮想通貨送金手数料(一例) | 無料 |
最大レバレッジ | 2倍 |
GMOコインは、東証一部上場企業であるGMOインターネットのグループ会社が運営する仮想通貨取引所です。
取引手数料が安く送金手数料が無料なので、取引コストを抑えてBybitに送金したい人にはおすすめの国内取引所です。
DMM Bitcoin
取扱通貨 | 27種類 |
販売所手数料 | 無料(※BitMatch取引手数料は除く) |
取引所手数料 | 取引所なし |
入金手数料 | 無料 |
出金手数料 | 無料 |
仮想通貨送金手数料(一例) | 無料 |
最大レバレッジ | 2倍 |
DMM Bitcoinは、DMM.comのグループが運営する仮想通貨取引所です。
DMM Bitcoinは各種手数料が無料です。
また、キャンペーンを頻繁に開催しており、口座開設などでキャッシュバックを受けとることができますので、取引する前から資金を手にすることができます。
BITPoint
取扱通貨 | 13種類 |
販売所手数料 | 無料 |
取引所手数料 | 無料 |
入金手数料 | 無料 |
出金手数料 | 無料 |
仮想通貨送金手数料(一例) | 無料 |
最大レバレッジ | なし |
BITPointは、東証2部上場企業「株式会社リミックスポイント」が運営する仮想通貨取引所です。
取引手数料や入出金手数料が無料に設定されているため、仮想通貨を入手する際の取引コストを最小限に抑えることができます。
取扱銘柄は少ないですが、Bybitに送金できる銘柄は扱っていますので、送金目的で使うのには問題はないでしょう。
まとめ
Bybitの手数料についてご紹介してきましたが、手数料負けを起こさないためにはしっかりと手数料体系を理解しておくことが大切です。
最後にもう一度Bybitの手数料をおさらいしましょう。
- 取引手数料
- 入金手数料
- 出金・送金手数料
- マイニング手数料
- ファンディング手数料(資金調達料)
- 両替手数料
Bybitでは出金・送金するたびにマイニング手数料がかかってしまいますので、出金・送金はまとめて行うほうがいいでしょう。
また、ファンディング手数料(スワップ手数料)をポジションによっては受け取れる可能性がありますので、そのあたりを上手く活用するのも取引コストを抑える有効な方法です。
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