OKX(オーケーエックス)は、セイシェルに本社を置く世界でもトップクラスの仮想通貨取引所で、スポット取引量・先物取引量では世界2位を獲得する実力を持っています。
海外取引所は日本の金融庁から警告を受けることもありますが、現在までOKXは一度も警告を受けたことがありません。
過去にハッキング被害を受けて、セキュリティ対策も強化されたOKXは取引先としては優秀と言えるでしょう。
今回の記事では、そんなOKXの手数料について詳しくご紹介します。
OKXの手数料について
OKXではユーザーレベルや会員ランク、取引の状態によって手数料が異なります。
特に、ヘビーユーザーは手数料を抑えることができますが、設定が細かいだけに取引にかかる手数料を事前に計算するのが少々面倒で、そこがちょっとした欠点になっています。
仮想通貨は手数料負けをしやすい投資だと言われていますので、手数料のことも意識しながら取引しないと手数料負けしてしまうこともあります。
OKXでは取引するときに手数料を自動計算してくれるので、「手数料のことは取引する時に分かればOK」という人は問題ありませんが、事前に手数料を計算して計画的に取引したい人は少々面倒に感じるかもしれません。
OKXでは、手数料は大きく分けて以下の3つの項目が関係してきます。
- ユーザーの状態
- 取引の種類
- その他必要な手数料
ユーザーの状態は以下のように区分されています。
- 会員ランク(一般会員とVIP会員)
- ユーザーレベル(一般会員5レベル、VIP会員7レベル)
- メイカー(Maker)手数料とテイカー(Taker)手数料
また、取引の種類には以下のようなものがあり、それぞれ手数料に違いがあります。
- 現物(Spot)取引
- 先物(Future)取引
- パーペチュアルスワップ(Perpetual Swap)
- オプション(Option)取引
これらにかかってくる手数料の他には、以下のような手数料も発生します。
- ファンディング手数料
- 入金手数料
- 出金手数料
- 送金手数料
会員ランクによる手数料の違い
OKXの会員ランクは「一般会員」と「VIP会員」の2つに分類されます。
過去30日間の取引量(USD)が1,000万以上であれば自動的に会員ランクがVIP会員になります。
※会員ランクの分類にはOKBの保有量は関係しません。
逆に言えば、OKBの保有量をいくら増やしても過去30日間の取引量(BTC)が1,000未満ならば一般会員のままです。
OKXの会員ランクをまとめると次の通りです。
- 【一般会員】
過去30日の取引量(USD)1,000万未満あるいは1日の資産残高(USD)10万未満 - 【VIP会員】
過去30日の取引量(USD)1,000万以上あるいは1日の資産残高(UDS)10万以上
ちなみに、会員ランクは出金制限にも関係してきます。
会員ランクは、一般会員で5段階、VIP会員で8段階というレベルにさらに細かく分類されます。
- 一般会員:OKB保有量によってレベル分類
- VIP会員:過去30日間の取引量あるいは1日の資産残高によってレベル分類
一般会員のOKB保有量によるレベルの分類は以下の5通りになります。
一般会員レベル | OKB保有量 | 24時間出金限度額(BTC) |
レベル1 | 500以下 | 500 |
レベル2 | 500以上 | 500 |
レベル3 | 1,000以上 | 500 |
レベル4 | 1,500以上 | 500 |
レベル5 | 2,000以上 | 500 |
一般会員の出金可能量(BTC)はどのレベルでも一律500BTCですが、VIP会員になると出金可能量がユーザーレベルによって異なってきます。
VIP会員は過去30日間の取引量によって以下の8つのレベルに分類されます。
VIPレベル | 過去30日間の取引量 | 1日の資産残高(USD) | 24時間出金限度額(BTC) |
VIP1 | 10,000,000以上 | 100,000以上 | 600 |
VIP2 | 20,000,000以上 | 500,000以上 | 800 |
VIP3 | 50,000,000以上 | 2,000,000以上 | 1,000 |
VIP4 | 100,000,000以上 | 5,000,000以上 | 1,200 |
VIP5 | 200,000,000以上 | 10,000,000以上 | 1,500 |
VIP6 | 500,000,000以上 | - | 1,800 |
VIP7 | 1,000,000,000以上 | - | 2,000 |
VIP8 | 10,000,000,000以上 | - | 2,000 |
なお、取引量や資産残高など異なる条件によって分類されるランク・レベルが違った場合、一番高い割引になるランク・レベルが適用されます。
OKXで簡単に手数料の目安を知る方法
これまで説明してきたように、OKXの手数料の仕組みは少々複雑です。ただ、OKXのサイトには簡単に一発で手数料の目安を閲覧できる方法があります。
なんと、取引画面下の「fee」という画面にカーソルを合わせるだけで、現在の会員ランク・レベルとメイカー手数料、テイカー手数料がわかるんです。
また、OKXでは自分自身の現在の会員ランク・レベルと各種取引にかかる手数料一覧を見ることができるページも用意されています。そのページは「Assets」の「My trading fees」をクリックすると確認できます。
OKXの取引手数料の詳細
ここからは、取引種類別に手数料を見ていきましょう。
取引手数料について紹介する上で、「メイカー(Maker)手数料」と「テイカー(Taker)手数料」は知っておく必要があるので、まずはこちらを解説します。
なお、成行注文はすべてがテイカー(Taker)扱いになりますが、指値注文はすべてメイカー(Maker)扱いになるわけではありません。
メイカー(Maker)は流動性を上げ新しい取引を生み出すので、取引所にとってもありがたく、どこの取引所でもテイカーと比べて手数料が安く設定されています。
現物(Spot)取引手数料
まずは、現物(Spot)取引の手数料について解説します。
OKXでは、VIP6以上のレベルになるとメイカー手数料はマイナス手数料になります。
※会員ランクと各レベルについては先ほどご紹介した一覧を確認してください。
マイナス手数料とは、本来支払うべき手数料がマイナスになり、報奨金として貰えるということです。
では各レベルごとに手数料を見てみましょう。
■ 一般会員手数料
ユーザーレベル | メイカー(Maker)手数料 | テイカー(Taker)手数料 |
レベル1 | 0.080% | 0.100% |
レベル2 | 0.075% | 0.095% |
レベル3 | 0.070% | 0.090% |
レベル4 | 0.065% | 0.085% |
レベル5 | .060% | 0.080% |
■ VIP会員手数料
VIPレベル | メイカー(Maker)手数料 | テイカー(Taker)手数料 |
VIP1 | 0.060% | 0.080% |
VIP2 | 0.050% | 0.070% |
VIP3 | 0.030% | 0.060% |
VIP4 | 0.020% | 0.050% |
VIP5 | 0.000% | 0.040% |
VIP6 | -0.002% | 0.030% |
VIP7 | -0.005% | 0.025% |
VIP8 | -0.005% | 0.020% |
OKXの先物(Future)取引手数料
OKXの先物取引では、取引手数料に加えて決済手数料と強制清算手数料がかかる場合があります。
各手数料についてまとめと以下のようになります。
- 先物決済手数料:会員ランク・レベルに関係なく一律で0.03%
- 強制清算手数料:現在の会員ランク・レベルのテイカー手数料に従って計算
各会員ランクごとの手数料は以下の通りです。
■ 一般会員手数料
ユーザーレベル | メイカー(Maker)手数料 | テイカー(Taker)手数料 |
レベル1 | 0.020% | 0.050% |
レベル2 | 0.018% | 0.045% |
レベル3 | 0.017% | 0.040% |
レベル4 | 0.016% | 0.035% |
レベル5 | 0.015% | 0.030% |
■ VIP会員手数料
VIPレベル | メイカー(Maker)手数料 | テイカー(Taker)手数料 |
VIP1 | 0.010% | 0.030% |
VIP2 | 0.008% | 0.030% |
VIP3 | 0.005% | 0.030% |
VIP4 | 0.002% | 0.025% |
VIP5 | 0.000% | 0.025% |
VIP6 | -0.010% | 0.025% |
VIP7 | -0.015% | 0.025% |
VIP8 | -0.015% | 0.020% |
OKXのパーペチュアルスワップ(Perpetual Swap)手数料
OKXの取引方法には「パーペチュアルスワップ(Perpetual Swap)」というものもありますが、この取引方法は、先物取引の一種で、先物取引と違って期限がないことが特徴です。
そして、OKXのパーペチュアルスワップには強制清算手数料がかかる場合があります。
強制清算手数料は、現在の会員ランク・レベルのテイカー手数料に従って計算されます。各会員ランクごとの手数料は以下の通りです。
■ 一般会員手数料
ユーザーレベル | メイカー(Maker)手数料 | テイカー(Taker)手数料 |
レベル1 | 0.020% | 0.050% |
レベル2 | 0.018% | 0.045% |
レベル3 | 0.017% | 0.040% |
レベル4 | 0.016% | 0.035% |
レベル5 | 0.015% | 0.030% |
■ VIP会員手数料
VIPレベル | メイカー(Maker)手数料 | テイカー(Taker)手数料 |
VIP1 | 0.010% | 0.030% |
VIP2 | 0.008% | 0.030% |
VIP3 | 0.005% | 0.025% |
VIP4 | 0.002% | 0.020% |
VIP5 | 0.000% | 0.020% |
VIP6 | -0.002% | 0.020% |
VIP7 | -0.005% | 0.020% |
VIP8 | -0.005% | 0.015% |
OKXのオプション取引手数料
別名「権利取引」と言われる取引で、OKXのオプション取引では権利行使手数料が必要な場合があります。
ただ、一回の契約において行使手数料が行使利益の12.5%を超えることはありません。
また、1日と2日のオプションには手数料はありません。行使されていないオプションも無料です。
以上の話をまとめると以下のようになります。
- オプションの行使手数料:会員ランク・レベルに関係なく一律で0.02%
- オプションの強制清算手数料:レベル1のテイカー手数料に基づいて計算
各会員ランクごとの手数料は以下の通りです。
■ 一般会員手数料
ユーザーレベル | メイカー(Maker)手数料 | テイカー(Taker)手数料 |
レベル1 | 0.020% | 0.030% |
レベル2 | 0.018% | 0.030% |
レベル3 | 0.017% | 0.030% |
レベル4 | 0.016% | 0.030% |
レベル5 | 0.015% | 0.030% |
■ VIP会員手数料
VIPレベル | メイカー(Maker)手数料 | テイカー(Taker)手数料 |
VIP1 | 0.010% | |
VIP2 | 0.008% | |
VIP3 | 0.005% | |
VIP4 | 0.002% | |
VIP5 | 0.000% | |
VIP6 | -0.005% | |
VIP7 | -0.010% | |
VIP8 | -0.010% |
OKXのファンディング手数料について
仮想通貨には「資金調達率(Funding rate)」というものがあります。
OKXではパーペチュアルスワップポジションを保有しているとファンディング手数料がかかります。
ファンディング手数料は、マイナス手数料になることもある手数料で、資金調達率(Funding rate)がプラスのときは手数料を受け取ることができます。
そのため、ファンディング手数料がある取引所ではファンディング手数料を狙ったトレード方法が存在するほどです。
相場状況 | ロングポジション | ショートポジション |
売り相場 | 手数料を支払う | 手数料を受け取る |
買い相場 | 手数料を受け取る | 手数料を支払う |
OKXでファンディング手数料が発生するタイミングについて
OKXでは、ファンディング手数料は8時間おきに発生します。
日本時間でのファンディング手数料発生時間は以下の通りです。
- 2:00
- 10:00
- 18:00
ファンディング手数料が徴収される場合は、この時間には取引を避け、ポジションを持たないことで手数料を抑えられる場合があります。
なお、ファンディング手数料は下記の方法で計算できます。
ファンディング手数料=ポジション価格(※)×資金調達率
※ポジション価格=契約数×マーク価格
OKXの入金・出金・送金手数料について
次に、OKXの入金・出金・送金手数料について解説します。
まず、入金手数料についてですが、OKXでは入金手数料は無料です。
ただし、OKXに入金するために出金元で手数料がかかる場合があります。出金・送金の際には、OKXではなくマイナーに報酬を支払うガス代として手数料を支払う必要があるのです。
出金手数料に関しては、OKXのシステムが自動で計算し、出金金額から手数料を引いた金額が出金ページに表示されます。
自動で計算されたマイナーに支払うガスは、平均的な処理時間の場合の出金手数料です。
実は、この出金手数料は自分で設定することもでき、出金手数料を高くすると処理スピードを高めることができ、早く出金できるようになります。
OKXの手数料を他社の手数料と比較してみた
OKXの手数料を他社の手数料と比較してみたいと思います。
ただ、取引所ごとに独自の手数料も設定されていたりしますので一概には比較できません。そこで、ここでは一般的なスポット取引とデリバティブ取引、オプション取引の3つで比較します。
OKXと海外大手他社との手数料比較した結果は以下の通りです。
取引所名 | スポット取引 | デリバティブ取引 | オプション取引 |
OKX | 0.08%/0.10% | 0.02%/0.05%~ | 0.02%/0.03%~ |
Binance | 0.1%~ | 0.02%/0.04%~ | - |
Bybit | 0.1%~ | 0.01%/0.06%~ | 0.03%~ |
FTX | 0.02%/0.07% | 0.02%/0.07% | - |
メイカーかテイカーかでもずいぶんと取引条件が変わってきます。
OKXで手数料負けしない方法
OKXには手数料負けしないコツがいくつかあるので解説します。
会員ランクやユーザーレベルを上げる
OKXでは、会員ランクやユーザーレベルで手数料の設定が違います。
OKXでは、会員ランクやユーザーレベルを上げると手数料を低くできる仕組みになっています。
そのため、OKBの保有量を増やしたり、積極的に取引できる場合は会員ランクやユーザーレベルを上げて手数料の割引を受けるのも手数料を抑える一つの方法です。
また、会員ランクやユーザーレベルは、余剰資産がある場合はそれらをOKBで保有し、積極的に取引できるときは積極的に取引するなどして、上げられるときに上げてしまうのも一つの方法です。
積極的に指値注文を活用する
手数料を抑えたいなら、できるだけメイカー(Maker)で取引するのも有効な方法です。
OKXに限らず、メイカー(Maker)とテイカー(Taker)では圧倒的にメイカーの方が手数料が安いです。
そのため、成行注文ではなく指値で注文すると手数料を抑えることができます。
ファンディング手数料を活用する
少々テクニックが必要になりますが、ファンディング手数料を受け取れるように意識して取引をすることでも手数料を大幅に節約できます。
例えば、ファイディング手数料徴収のタイミングでの大きな取引を避けるとか、徴収のタイミングでは受け取れるポジションを持っている状態をキープするなどしましょう。
OKXの手数料に関する注意点
OKXでは以下の2点に関して手数料では注意が必要です。
出金手数料(送金手数料)は仮想通貨によって異なる
OKXに限ったことではありませんが、OKXの出金手数料(送金手数料)は、仮想通貨によって異なります。
主な銘柄の出金・送金手数料を一覧にすると以下の通りです。
仮想通貨名 | 出金手数料 |
Bitcoin | 0.0002BTC |
Ethereum | 0.004ETH |
Tether(USDT) | 20.0USDT |
XRP | 0.2XRP |
Ethereum Classic | 0.008ETC |
Litecoin | 0.001LTC |
Bitcoin Cash | 0.0008BCH |
以上のように銘柄によって手数料が異なります。
特に、「この仮想通貨で送金したい!」という希望がない場合は、できるだけ手数料が安いコインを選んだほうが手数料は抑えられます。
クレジットカードでの仮想通貨購入は手数料が高めに設定されている
OKXではクレジットカードでも仮想通貨を購入でき、事実上日本円入金できますが、手数料がかかります。
具体的には、3.5%の手数料がかかります。
最初はどこかで仮想通貨を買うでしょうから、初回に限定すれば特に大きなデメリットではないのですが、続けていると手数料がかさみますので注意しましょう。
OKXの手数料に関してよくある質問
最後に、OKXの手数料に関してよく見かける質問にお答えします。
- 出金と送金は何が違うのですか?
-
同じ意味です。
- ウォレット間の振り替えで手数料は発生しますか?
-
発生しません。
出金と送金は何が違うのですか?
同じ意味です。
強いていうなら、自分のウォレット宛に送金することを「出金」といい、他人のウォレット宛に送金することを「送金」ということが多いようです。
ただ、どちらもOKXにとっては「出金」ですから、手数料ではまとめて「出金手数料」と表現されることが多いようです。
ウォレット間の振り替えで手数料は発生しますか?
発生しません。
他の取引所と同様に、OKXでも入出金に使うウォレットと売買に使うウォレットなどが分かれていますが、こうしたウォレット間の資金移動(振り替え)に関しては、すべて無料で手数料はかかりません。
まとめ
OKXの手数料について詳しく解説しましたが、いかがだったでしょうか?
OKXの手数料は会員ランクやユーザーレベルによって細かく設定されていて、少々複雑ですが、取引する際に自動的に計算して表示してくれる機能があります。
事前に手数料を知りたい場合は、計算式に基づいて算出する必要がありますが、目安に関しても公式サイトで確認できますので、そちらを参考にしながら取引をしてもいいでしょう。
仮想通貨取引は手数料負けしやすい取引でもありますので、手数料は侮れません。
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